『未来』

久しぶりに分厚い本、湊さんの未来読了。

 

以下ネタバレ含む私見まとめ(自分用)。

 

 

 

 

 

始めはただ謎の種まき。

この手紙は本当に未来からなのかな?ってファンタジーを想像した。

過酷な家庭環境の中で悲しみを乗り越えて、幼いながらにしっかりしているところに感動。頑張りすぎって思うけど、頼る人がいないってこういうことなんだって感じた。

章子は強いなって思った。

 

小学校のクラスのなかでも、気が合わない人は出てくるよね。社会もそうだと思う。ほんと不思議。

でも章子はしっかり自分を持っている子だったな。

 

話が進むにつれて、いろいろ話せる人ができて良かったなって思う反面、章子の家の崩壊具合に目を背けたくなった。

しかも崩壊の事の発端がクラスの人間関係。

頼るということを知らない女の子に感情移入しすぎて、読むの辛かった…。特に虐待されて押入れから出なくなるところ。外を歩くのも怖くなるなんて、そこまで精神を追い詰めた男にも同級生にも許せなくなってしまう。

 

中学でいろいろ話せる女の子、アリサ。この子も強そうって思ったけどこっちの家の崩壊具合もやばいなぁ。

姉弟愛に泣きそうになる。特にシャインマスカット頬張ってハイテンション!は、私の耳にも聞こえたきがした。

 

そして、なんと章子のお父さんとお母さんの家族。こちらはもう衝撃すぎて気持ち悪かった。電車で読んでたけど気分悪くなってやめたくらい(苦笑)

 

お母さんの家族は、家族とは言えないよね。酷すぎる。お父さんはどうしても救いたかったのがよく分かる。

 

小学校の先生の話は、なんとかいいオチで良かったかな。つらそうだけど。

 

今回は、ほんとに暗くて黒くて感情移入するには難しい場面が多かった。

けど、実際こういう家族はいるんだろうって、周りを見る目が変わった話だった。普通に見える人が、実は家族でこんなに苦労してるとかあると思う。

 

気づけるかって言われたら、それは難しい。きっと知られたくないことだと思うから。

でも、いつでも頼ってっていう気持ちを持つことは大切だと思う。その気持ちに気づいて、話すか話さないかは相手次第だよね。

だから、無理やり詮索はしない。無理に聞き出そうともしない。

 

あぁ、ほんとに読んでる途中でこんなに気分悪くさせてくる湊さんが最高すぎる。

描写が上手だと思う。想像しやすい。好き。

 

そして最後に向けて、種まきして咲いてる花を一つ一つ丁寧に摘み取って、花束にしちゃうような全ての繋がりにウットリ。これだよね。湊さんの小説の醍醐味…。

 

 

だけど、読了した日の夢見は最悪(笑)

 

10年の集大成、素晴らしい作品だった。

次回作も楽しみに待とう。

 

3月、ついに終了。

年度末だ。4月からは新たなスタート。

変化の2019にするんだ。