あの日の記録


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どうも、やまめです。

 

久しぶりの投稿になってしまった。

このブログには、もう綴らないだろうと思っていたけれど、

 

文にすることで少しは今の心が浄化するのではないかと期待して、また書き始めることにしました。

 

まぁ誰かに向けて書いているわけではなく、本当にただのひとりがたりですね。

 

ブログを新しく作り直すことも考えたけれど、

振り返るとここの記事には、当時のたくさんの思い入れがあって勿体なくなったのでこのままにします。気にしないでね。

 

 

近況としては

今は専門学生しています。

来年の春、うまくいけば卒業!

日々くらいついてます。

大学生のころは山登りとバイトくらいしかしてないので、こんなに勉強しているのが人生初めてだったりしてますね。

 

 

さて、そうだなぁ。

 

やっぱり、あの日について、

そしてあの日までと、あの日からについて、

文にして記録させておこうと思いまして。

 

いつか記憶喪失になっても、

文で残っていれば何かの手がかりになるかなぁ。

 

やはりあの日は私たちにとって大事な日。

 

あの日までも、あの日からも、

やっぱり忘れたくない。

 

 

まずは、あの日。

 

今でも昨日のことのように覚えています。

 

ふー。さて。

 

登場人物は、わたくしやまめと、大学2年から交際している彼です。今年で7年目になります。

やまめと話したことがある方は、彼の存在を知っている方が多いと思います。

でも見たことない方が多いかな。まぁ、そう、その彼です。

 

大学といえば、ワンゲルですね、楽しかったし今でも支えられています。

彼とは部内、遠距離、近距離恋愛どれも体験しているね。

いろいろあったけど、書く気力はまだないですね。心にしまっておこう。

 

 

あの日は、よく晴れた夏、水曜日。

台風が来た後で、晴れてました。台風一過ってやつだね。

やまめは午前中、学校近くの美容院に行ってましたね。

初めて行く美容院だったけど、丁寧で良かった記憶。

今思うと、な〜んの予兆もなかったですね。

 

よく、ドラマとかだとお皿割れたり、バッグ壊れたりするのにね。

 

まぁ、

 

カットとカラーをしてもらって、終わったらちょうどお昼だった。

 

その足で近くのつけ麺屋さんに入って、彼にラインしました。

髪切ったんだ~っていう、ありきたりな報告と、

その日に彼が職場の仲間と沢登りに行っていることを知っていたので、

そちらの天気はどうかとか、写真送ってね~とか、ほんといつも通りな感じだった。

 

つけ麺食べ終わって、返信ないなぁとは思ったけど。

別になにもおかしいと思わなかった。

 

まだ沢のほうなのかなぁとか、疲れて移動中に寝ているのかなぁ、とか。

そんなことを考えて、その日の夜中になりました。

その時確認したけど、まだ既読はついてなかった。

やまめは、疲れて寝ちゃったんだろうなぁ~、としか思わなかった。

 

さて、次の日。木曜日の朝、電車の中。

まだ既読ついてないな~、どうしたんだろう~。

まっさきに思ったのが、スマホ水没ね笑

ありえそうだし、今頃大変だろうなと笑って想像していました。

 

ふー。

 

夕方、16:30頃。

やまめのスマホが鳴りました。でも、知らない番号。

授業中だったし、いいや~って思って出なかった。

そしたら、SMSってやつがとんできました。

彼のお母さんからでした。

 

こんなことは、長く付き合ってきて一度もなかったので驚きましたね。

なんだろう!って思って教室飛び出して、すぐかけなおしました。

 

やまめの名前を確認するお母さんの声は、

かなり弱弱しくて、でもしっかりしていて、私もすごく冷静になれました。

 

今思うとドラマのセリフのような「落ち着いて聞いてね」っていう言葉。

この言葉は、わりと外面は落ち着きますが、内面は心臓が暴れまくってます。

 

この一瞬で、すんごいいろいろな想像したのを記憶してます。

でも、結論から言うと、想像は一つも当たらなかったです。

 

先を聞きたいような、聞きたくないような、複雑な心境だった。

けど、ほぼ反射的に「はい」って言ったんだよね。

 

伝えられた内容は、

 

・彼が水曜日の沢登りで行方不明になっていて、

 木曜日の16:30頃の段階で、まだ見つかっていないこと。

 

・先日の台風で沢は水量があり、現地も現在雨が降っていて、

 木曜日の捜索も今、打ち切りになったこと。

 

 

うん。

 

やまめは、その言葉の意味を飲み込むのにかなり時間を要したと思うんだけど、

 

数秒後には「わかりました。何かわかったらまた連絡お願いします。」って言えてたと思う。声が、自分の声じゃないみたいで驚いた。

 

そこから教室に戻るまではね、思い出そうと頑張っても思い出せないんだよね。

 

泣くでもなく、叫ぶでもなく、

ただ座り込んでた記憶はある。

でも、何かするわけでもなく。

あれが、『無』なんだろうなぁって今は思う。

 

どのくらい時間が経ったのかわからないけど、

 

事情を知っているワンゲルの同期に電話して、「彼なら大丈夫だよ」と冷静にいつも通りな感じで背中を押されて、

 

彼女である私が、信じて待ってあげないでどうする!って思うことができたんだよね。

感謝。

 

ふー。

 

家に帰っても

いろんな想像をしたけど、おかげで悪いほうには考えないように思考がなってたな。

どこかで野宿して切り抜けているかなとか、

自力で下山して、ごめーーーんって言いながら帰ってくるとか。

 

その週の土曜日。

ワンゲルの同期3人に東京で再会して、お酒飲んだ。

彼の話して、いつも通りなみんなに元気づけられたの覚えてるな。感謝。

 

待てども待てども連絡が来なかったので、その飲み会の席で、

「明日、(彼が沢登りに行った沢)行ってくる!」って宣言したっけなぁ。

 

またもやみんなに背中押されてそう思ったんだよね。

帰ってこないなら彼女である私が迎えに行かなきゃなと。

 

そんなこんなで、みんなとバイバイして、

やまめは部屋で沢に行くための準備をするつもりが、

深酒の影響か眠りについた。

 

でも、久しぶりに、”寝れた”と記憶している。

 

ふー。

 

日曜日。

沢に行くのに、8時代に起きた。完全に寝坊。

でも、シャワーあびて完全に行くモードでしたね。

 

髪の毛乾かす前に、毎日スマホでチェックしてしまう現地のローカルニュース。

 

指をスクロールしたら、見覚えのある名前があって、動作と思考が完全に止まった。

 

 

うん。

 

彼が、見つかった。

 

 

でも、私が望んでいた形ではなかった。

 

 

同い年の彼(当時24歳)は、先に空へと旅に出てしまった。

 

 

うん。

 

ね。信じられないよね。

 

 

それからの記憶は、色で例えると、灰色だ。

見えてるはずなんだけど、色がない世界。

 

髪も乾かせず、立ってもいられず、

しゃがみこんで泣き叫んだのは人生初だった。

 

叫んで、泣いて、嗚咽、を繰り返して。

 

そんななかで今でも思い出す私の言葉

 

「嘘だよね?嘘だよね?なんでよ、なんでよ」

 

ずっと泣きながら蹲って言ってたな。

 

心だけでは受け止めきれなくて、

感情が涙と言葉になって爆発してたなと自己分析しています。

 

フラフラ歩いて、

部屋のベッドに横になって天井を見つめてた。

 

目をつぶると彼との記憶が思い出されて、声が聞こえるようで、泣いた。

 

泣いても泣いても、人間って、

涙って止まらないんだなぁってボンヤリ感じた日。

 

 

あと覚えているのは、

 

彼のお母さんが電話をくれたこと

地元の友達に電話をかけたこと

近くに住んでるワンゲルの同期が電話をくれたこと

 

その日の夕方は、彼が、現地から、

実家のある街に帰ってくるという連絡を頂いたので、

電車を使って会いに行きました。

 

車内では、本当に何も考えられなかった。

 

ただ、周りを見渡して、

 

人間はこんなにいっぱいいるのに、

 

どうして彼が…?

 

ってことだけがぐるぐるしていた。

 

無事に着いた。

 

彼のご家族と一緒に、彼の元へ連れて行って頂きました。

 

お部屋で2人きりにも、していただきました。

 

私が知っている、寝顔。

 

すやすやと寝ているみたいでした。

 

そこに横になっていたのは、

 

いつもの、彼でした。

 

 

 

うん。

 

 

 

やはり表出することで少しだけ心が浄化されている気がする。

 

気のせいだろうか。

 

気のせいかもしれない。

 

でも、記録しておくことは大事なことですよね。

 

今日で、10か月です。

はぁ。

あと2か月で1年経ちます。

 

1年・・・信じられないな。

ほんと、考えただけでダメだ。

 

よくここまで時は流れたものだよ。

 

まったくね、時の流れに苛立つときもある。

 

でも、どうにもできない。

 

こうやって表出することで

また少しずつ前に進めるといいんだけど。

 

まだまだ時間をかけないと。

 

 

私は大丈夫な日と、そうでない日がある。

 

大丈夫な日っていうか、

大丈夫風な日か。

 

やはり、周りの目がある以上、悲しみにくれて発作泣きしていると、いろいろ心配かけそうですし。

 

ある意味抑制が働いているんですかね。

抑制かけると反動が強いんですけど仕方ないですね。

 

大丈夫でない日は、いつくるか分からない。

最近は、わりと多い。

 

ゆっくり思い出す時間を削られていて余裕がない、それが悲しくもなる。

 

キャラじゃないけど、叫び怒鳴り散らしたくなる。

できないけど。

心の中は叫んでいます。

 

 

ふー。

 

この先、いつか悲しくなくなる日はくるのか、

 

でもそれも嫌なんだ。

 

悲しくても、彼との思い出の記憶が私のなかにあるから、

 

私が思い出してあげないと可哀想じゃん。

 

忘れたくても忘れられない思い出だし。

 

今が夢で、前が現実のような、

 

そんな感覚です。

 

この世のものは、生まれた時から、死に向かって確実に進んでいるんだよね。

 

どのような形で終わるのかは、

誰にも分からない。

 

それはどんなに望んでいなくても、

誰にも止められない。

 

 

私も、いつ旅に出るか分からない。

 

こういっちゃああれだけど、私は今旅に出ても後悔しないだろうな。結構前の記事にも同じようなこと書いてて笑っちゃったな。

 

でも、

自分から旅に出る勇気は、なかった。

 

いろいろ考えてしまうと、できないものだね。

衝動、というものがあるのかなとふんわり思いました。

 

それにしても、

 

彼も、きっと信じられなかっただろうな。

 

うん、初めて行く沢じゃなかったんだもん。

 

当時の状況を知っている方々には、

まだ会う勇気が出ません。

 

それに、思い出させることが申し訳なくて言い出せません。

 

でも、会っていろいろ聞かせて欲しいですね。責めるつもりは微塵もないのでね。

 

ふー。

 

 

月に何回か沢登りに行っていたし、帰ってくることは当たり前のように感じていました。

 

一緒に歳を重ねて、しわくちゃになるまで隣にいられると思っていました。

 

将来はいろいろな思い出を一緒に語って、笑ったりすることができると思っていました。

 

歳を重ねながら、一緒に行っていない場所へ行き、山にも登ることができると思っていました。

 

普通の幸せを望んでいましたし、

叶えられるとも思っていました。

 

なんの疑いもせず。

 

高望みなんて、していません。

一緒にいられることだけで良かったんです。

 

でも、

 

彼に出会ったこと、

長く一緒にいられたこと、

いろいろな場所に行けたこと、

山を一緒に登って一緒に帰ってくること、

 

全部が奇跡だったんだなぁと、今では思います。

 

何事も、奇跡の連続ですね。

 

奇跡を当たり前だと感じてしまっていました。

今の幸せが永遠に続くなんて、

ありえないんだなと体験しました。

 

彼が何か悪いことでもしたわけじゃないのに。

どうして彼だったんだろう。

どうして私たちだったんだろう。

 

 

 

神様のことを、生まれて初めて

心の底から憎みました。

 

 

 

彼とは、本当に山登りや旅行にたっくさん行きました。海外の山にも挑戦したり。

いろいろあったことは、もう少し後になったら記録しておきたいな。

 

そのなかで、たくさんの空を見上げて、

いろいろな空を見ました。

 

だから私は、空を見るといつも思い出します。

そんな彼に、つい問いかけてしまいます。

 

「あの日最後に見た空は、どんな色だった?」

 

きっと、とびきり綺麗な空だったんだろうなぁと信じていますが。

 

私はそれが気になって気になって仕方がないんです。

 

彼の口から聞きたいんですよね。

 

 

でも、問いかけても返事は聞こえない。

 

もしかしたら耳元で大声で言っているかもしれないのに、

 

私の耳は使い物にならないんです。

 

 

すると同期が、問いかけじゃなくて語りかけろよ、と。感謝。

 

だから私は、どんなに問いたくても語りかけるように努力しています。

 

まだまだ難しいけれど。

 

 

「ねーねー

    今日の空は、あの時と似ているよ。」

 

ふー。うん。

私たちらしい。

 

 

私はよく彼に、人生についての自論を言っていました。

 

「人生を長い目で見れば、

いつか今日のことを笑える日がくるよ」

 

あの日のことを笑える日は来ないと思うけど、

彼といつかどこかで、また笑える日が来ると信じています。

 

 

日々一歩ずつ、山と一緒。

彼はいつも、少し先を歩いている。

 

 

また、書きますね。

 

やまめ

2020.5.17